今回はてんかんについてお話です。

ネット上で 『犬と猫のてんかんの読本』 というタイトルで、
てんかんについて大学の先生(長谷川 大輔先生)が
わかりやすくまとめたものが公開されています。
当院に来院されたてんかんの患者さんには
この 『犬と猫のてんかんの読本』 を印刷してお渡ししています。
 http://www3.big.or.jp/~vetrad/inunekotenkan2nd.pdf
このURLからダウンロードできます。
(ところが最近、このホームページが見れなくなった?ようです…)
この中にも記載されていますが、とにかく覚えておいてほしいのは、
『群発発作』 と 『発作重積』 です。
群発発作とは、数日にわたり発作が繰り返しおこることをいいます。
発作重積とは、1回の発作が30分以上続く場合や、
1回の発作が終わりかけようとすると次の発作が始まってしまうことをいいます。
通常、1回のてんかん発作で死んでしまうことはありませんが、
群発発作や発作重積は残念ながら亡くなってしまうこともありますので、
この場合はすぐに動物病院を受診してください。

てんかん薬を飲み始めるか、飲まないで経過をそのままみるかの
ガイドラインはいろいろあります。
例えば、ひと月に2回以上てんかん発作があれば、てんかんの薬を飲みはじめる、
群発発作や発作重積が1度でも起こった場合もてんかんの薬を飲み始める等
いろいろありますので、病院にて獣医師と相談してください。

てんかんの薬を開始しても、てんかんを完全になくすことを目標にはしていません。
てんかんをひと月に1回以下にすることや、発作の持続時間、
重篤度を軽減することがてんかんの薬を服用する目標です。
てんかん薬をどれくらい服用するかは、犬さん、猫さんの血液中の
てんかん薬の濃度が大事になるため、定期的に血液検査が必要です。
その検査結果などでてんかん薬の量を決定していきます。
なので、てんかんの薬を飲んでいるにも関わらず、てんかんを起こした場合は
てんかん薬の量の増減、てんかん薬の種類などについても
獣医師と相談していただければと思います。

てんかん薬を服用する量を増やすときは、特に問題ないのですが、
(例えば、 朝1錠、夜1錠を朝2錠、夜2錠に増量 の場合は問題ないのですが、)
逆に、てんかん薬を減らすときは、結構たいへんです。
いきなりてんかん薬を服用するのをやめると、てんかん発作をおこすことがあるため
(このことを離脱発作といいます)
時間をかけて少しずつてんかん薬の量を減らしていきます。
おそらくフェノバールという薬が一番犬さん、猫さんに使用されていますが、
他にもいろいろとてんかんの薬(エクセグラン、エクセミド等)があります。
それぞれ、利点、欠点がありますので、ひとりひとりの状況に応じて最適なものを
選択します。薬の種類を変更するときも大変で、今までフェノバールを
服用していた犬さん、猫さんに急に別のてんかん薬に変更すると
発作を起こしてしまうので、フェノバールと新しい薬を同時に何日間か服用し、
新しい薬の血液中の濃度が安定してから
フェノバールをゆっくり減らしていくという方法をとります。

基本的にてんかんの薬は一生服用することになりますが、
2、3年間まったくてんかんがなければ薬をやめることができることも
(まれですが)あります。

最後に、てんかんを起こした犬さん、猫さんの飼い主さんへお願いがあります。
初めて犬さん、猫さんがてんかんを起こした場合、飼い主さんも
動転されてしまいますが、もし可能であれば、けいれんを起こしている状況を
携帯電話のビデオでかまわないので動画を撮影していただけると、
特に全体像や顔(よだれや目)を撮影していただけると
治療に役立ちます。(なかなか難しいのですが)

第21話以降はこちら

第20話 海外移住

第19話 大型犬の食欲

第18話 また肛門腺の話

第17話 肛門腺の化膿

第16話 犬と猫の便秘

第1話 消毒液

第14話 窓の外

第13話 仔猫とハジラミ

第12話 猫とユリ

第15話 毛玉ケア

第11話 こげ茶色の耳垢

第9話 爪のけずれかた

第6話 自転車での散歩

第8話 雪の日の散歩

第7話 巻き爪

第10話 マダニ予防

第5話 脂肪腫?

第4話 てんかん

第3話 腎不全

第2話 輪ゴムに注意