当院には爪きりだけに来られる犬、猫がたくさんいます。
先日も
飼い主さん:「また、爪を切ってもらいにきました」
看護士:「右の後ろ足の爪のほうが左の後ろ足の爪より長いですね。」
本来、爪は左右対称にけずれるので、右と左の爪の長さは同じはずですが、
右と左の爪の長さが違うということは、なにかしらの原因があるはずです。
このワンコの場合、後ろ足をよく触ってみると
右の太ももの筋肉が左の太ももの筋肉より少し細くなっており、さらに
右膝(ひざ)の関節が左よりも少し腫れていました。
飼い主さんは特にびっこをひいていることはないとのことでしたが、
念のためX線を撮影すると膝の変形性の関節症がみつかりました。
おうちで爪を切ったり、トリマーさんに爪を切ってもらう方も
爪のけずれかたに注意してあげてください。
左右でけずれかたに差がないかどうか、
また、前後ではどうか、みてあげてください。
腰を痛めて後ろ足の力が入りにくいとき、後ろ足の爪が前よりけずれなくて
伸びていることを見かけることがあります。
さらに、ある特定の指だけが長い、あるいは短い場合、
たとえば右前足の小指の爪は短いけれど、人差し指は長い場合、
爪がななめにけずれてしまっている場合
(外側に蹴り上げている、手首、肘の問題のことが多い)、
爪の背中側がけずれてしまっている場合(腰や、首に問題があることが多い)など
爪のけずれかたで病気がわかることもあります。
爪のけずれかたがおかしいと感じたら、受診することをおすすめします。