今回は便秘の話です。

今週は、4件も便秘の方が来院されましたので…
おそらくたまたまだと思うのですが…寒さが関係してるのでしょうか…
わんこ、猫さんの便秘にはいろいろ原因があります。
猫さんに多い原因に、骨盤の骨折があります。
かつて、落下事故、交通事故などで、骨盤を骨折し、直腸が通る空間が
狭くなって骨がひっついた場合です。
この場合、軽度であれば、便秘ぎみのときにだけ、
お通じの薬を飲むと解決しますが、重度の場合は
狭くなった骨盤腔(直腸のとおり道)を広げる手術が必要になります。
また、これも多いのですが、大腸(結腸)がかなり太くなってしまう病気が
あります。特発性巨大結腸といいますが、結腸の神経伝達物質の異常が
原因とも考えられていますが、原因はよくわかっていません。
おなかを触ると硬いうんちが太い棒状になっていることがほとんどです。
この場合も定期的に、お通じの薬を飲むことになりますが、
可溶性の繊維を多く含んだ、お通じをよくするフードも病院にはありますので、
相談いただければと思います。
一昔前は、猫さんの肛門に指を入れて、うんちをかきだすことが
多かったのですが、お通じの薬と、お通じをよくするフードのおかげで、
少なくなってきました。それでも肛門に指をいれてうんちをかきださないと
だめな猫さんもいます。浣腸すると猫さんはかなりぐったりするので、
当院ではなるべくしないようにしております。
この病気は猫さんのほうが圧倒的に多いのですが、犬でもおこります。
犬の便秘の原因は、上にあげたこともありますが、
より多くみられる原因としては会陰ヘルニアがあります。
肛門まわりの筋肉の壁が弱くなって直腸が膨らんでしまい
そこにうんちがたまってしまい、うんちが出にくくなります。
肛門周りがはれることで飼い主さんが気づかれて来院されることが多いです。
会陰ヘルニアは、大きくなった前立腺や男性ホルモンが
関与していると言われており、去勢手術をすることがほとんどです。
他にも、消化管のがんやポリープなどでも便秘がおこったり、
肛門まわりのできものや炎症が痛くて排便を我慢したり、
紙やポップコーンを食べることでも便秘になることがあると言われています。
食欲がないときにうんちが2、3日出てないというときは、便秘とは言いませんが、
食欲があるのに慢性的に便秘あるいは便秘気味だというときは
一度受診されることをお勧めいたします。(2012年1月24日)

お母さん

むすこさん

むすめさん

むすめさん

第41話以降はこちら

第21話以降はこちら

第20話 海外移住

第19話 大型犬の食欲

第18話 また肛門腺の話

第17話 肛門腺の化膿

第16話 犬と猫の便秘

第1話 消毒液

第14話 窓の外

第13話 仔猫とハジラミ

第12話 猫とユリ

第15話 毛玉ケア

第11話 こげ茶色の耳垢

第9話 爪のけずれかた

第6話 自転車での散歩

第8話 雪の日の散歩

第7話 巻き爪

第10話 マダニ予防

第5話 脂肪腫?

第4話 てんかん

第3話 腎不全

第2話 輪ゴムに注意