犬、猫の混合ワクチンは毎年、受けないとだめなのか?と
よく質問を受けるようになりました。
犬では、狂犬病ワクチンと混合ワクチンの2つ受けるべきワクチンがあり、
猫は混合ワクチンだけです。
犬の飼い主さまは狂犬病ワクチンは、必ず毎年受けてください。
以下に当院での犬と猫の混合ワクチンのプログラムについてお話させていただきます。

その前に2つのポイントを。

まず、一つ目。最近の犬、猫の混合ワクチンは以前と違い、副作用がかなり
減りました。(全くないわでではありませんが、かなり少なく感じています)
そして、効果の持続時間も1年ではなく、3年以上持続可能、(最長7年?)
とのデータも出てきています。
(今後、さらにデータが出てくると思われます。)

そして、2つ目。抗体検査が、特に犬で院内でできるようになりました。
よって、ごく少量、採血し抗体検査をして、
抗体が十分量あれば、混合ワクチンは打たない、
抗体が十分量なければ、混合ワクチンを打つという選択肢ができました。
(抗体検査料 犬では8,000円、猫では12,000円です(税抜き価格))
人の妊娠前の女性が風疹のワクチンを打つときに、
まず抗体検査をし、抗体が十分あればワクチンは打たない、
抗体が十分になければ、ワクチンを打つ、のと同じ考え方になります。
ただし、妊娠前の女性と同様に、抗体が十分あっても、ワクチンをうつことで
さらにウイルスに対する抗体が増え、免疫が強化されることが期待されるので、
抗体が十分にある場合でも、ワクチンを打ってもかまいません。


以上を踏まえ、WSAVAという団体が提唱するプログラムを参考に
当院でのプログラムを紹介します。
詳しく知りたい方はWSAVAで検索すると日本語のガイドラインが見れます。
(長くて、読むの大変ですが…。コアワクチン、ノンコアワクチン等、
いろんな言葉が出てきますが、ここではあえて、ふれません))
そして以下のことは、当院の周辺にお住まいの方に対してのおすすめの
プログラムですので、他地域の方はかかりつけの病院に相談してください。

まず、仔犬、仔猫から1歳時までのワクチンについて。
6から8週齢でワクチンを開始し、2から4週間ごとに、数回注射し、
0歳時の最後のワクチンが生後16週齢を超えるようにします。
そして1歳時のワクチンはすごく重要ですので、ワクチン接種を強くすすめます。

で、ここからが、いろんな選択肢があります。
まず、毎年、ワクチン証明書が必要な方には、
2歳以降も、毎年、混合ワクチンを打ちます。
住んでいるアパート、マンションで証明書の提出を求められる方、
ドッグラン、ドッグカフェ、ペットホテル、乗船時にワクチン証明書の提出を
求められる時も毎年、混合ワクチンを打ちます。

混合ワクチンの証明書を求められる場面がない飼い主さまには、まず一つ目。
抗体が十分にあるかどうかを毎年確認し、抗体が少なくなったら混合ワクチンを打ち、
抗体が十分にあれば、その年はワクチンを打たないというプログラムです。
一番、理想的だと思います。
ただし、混合ワクチンを打つよりも抗体検査の方が価格が高くなってしまうことを
ご了解ください。

2つ目。
抗体検査なしで、2歳時以降は3年以上の間隔をあけて、混合ワクチンを打つ。
ただし、猫で、ウイルスに感染するリスクが高い場合は
3年以上間隔を開けるのではなく、毎年打つことをすすめます。
例えば、家の外に出ることがある、その猫や同居猫がよく猫風邪をひく場合などは、
毎年の混合ワクチンをすすめます。

3つ目。
いままで通り、抗体検査なしで、毎年混合ワクチンを打つ。


そして、高齢10歳以上になったときにも、いろいろな考え方があります。
そのまま、混合ワクチンを毎年打つ、あるいは3年以上あけて打つという方法。
また、高齢になり免疫力が落ちてきた時こそ混合ワクチンを打つという考えもあります。
例えば、人で65歳以上の方には肺炎球菌のワクチンを打とうという
テレビコマーシャルを見かけますが、犬、猫も同様に、10歳以上の高齢になったら、
免疫力が下がると考え、10歳以上になったら、
混合ワクチンを打つ間隔をあけすぎないようにする方法。
(こういうときこそ抗体検査をすすめるのですが…)

以上、当院での混合ワクチンのプログラムについて、
おおまかにお話させていただきました。
犬、猫の体調、その他、環境、状況もいろいろと変わると思います。
また、レプトスピラ症というを病気の予防を希望するかどうかでプログラムが
少し変更になることもあるかもしれません。
来院いただければ、その都度、混合ワクチンを打つかどうか相談させていただきます。
ご気軽に相談ください。
ただし、ワクチンを打つ、打たないに関して、電話での問い合わせは
お断りさせていただいております。ご了承ください。(2019年5月17日)

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