先日、「はさみで毛玉を切ろうとしたのですが、あやまって皮膚を切っちゃって、
血が止まらないんです。」 と、1歳の猫さんの飼い主さんが来院されました。
その猫さんには、耳の下やわきの下、おしりにも大きな毛玉がありました。
耳の下の毛玉は直径5センチほどあり、皮膚に密着していて、
皮膚と毛玉の境界がはっきりとしない状況でした。
その猫さんは傷が気になって、傷をひっかき、かつ、
頭を振るので遠心力で出血が止まりにくくなっていました。
触ると当然怒るので、局所麻酔をかけて、痛くないようにしてから毛玉をとり、
傷口を洗浄しました。
毛玉は大きくなればなるほど下の皮膚とくっつき、皮膚を引っ張り、
炎症を起こします。今回は猫さんでしたが、
わんこでも毛玉ができることはよくあります。
特にやわらかい毛質の子は毛玉ができやすいです。
毛玉を作らないために是非、ブラッシングをしてあげてください。、
ブラッシングを喜んでくれるわんこ、猫さんの場合はいいのですが、
なかなかさせてくれないわんこや猫さんもいます。
その場合は、いきなりブラッシングをするのではなく、
なでることからはじめてください。
わんこや猫さんが気持ちいいと感じる場所を探りながら、なでてください。
ゆっくりと時間をかけて、なでられることに慣れてきたら、頭だけ、背中だけ、
というように少しずつブラッシングする場所を増やしてください。
とはいえ、なかなかブラッシングをさせてもらえないことも多いので
無理そうならご相談ください。
ブラッシングは毎日、特に長毛種の猫さんの換毛期は
1日数回するのが理想的です。
また、水や静電気防止用スプレーを体の上の空間に向かってスプレーをし、
水分が落ちてからブラッシングをした方が、直接体にスプレーするよりも
わんこ、猫さんがびっくりしなくていいですよ。
また、定期的にトリミングに出されるのもいいかと思います。
(2011年12月3日)