今回は、犬が飲みこんではダメなものを口にくわえている時の話です。

犬が小さなおもちゃを口にくわえている現場に飼い主さんが遭遇し、
飼い主さんが慌てておもちゃを取り出そうとし、
犬もおもちゃを取られてたまるか〜っと取り合いになり、
結局犬がおもちゃを飲みこんでしまうことが、けっこうあります。
今まで、私が経験してきたのは、おもちゃ以外にも、
スーパーボール、お金(10円玉、100円玉、500円玉)、軍手、
ぬいぐるみ、紅茶のティーパック、きゅうりのかけら、
トウモロコシの芯、お菓子等の包み紙、…
最近では、ネコじゃらしのおもちゃを犬がくわえて、飼い主さんにとられまいと、
20センチ以上のプラスティックの棒の部分を飲みこんでしまったということも
ありました。

犬が飼い主さんの「口から出せ!」の指示通り、出すならトラブりませんし、
犬のくわえる力がそれほど強くなく、飼い主さんが簡単に取り出せるケースは
問題ないのですが…。犬が飼い主さんの指示通りに動かなかったり、
犬のくわえる力が強い場合などは、犬の口の中のものを取り出すのは
無理なことが多いです。
そして、犬が口の中のものを飲みこんでしまい、来院され、
処置を受けることになることがけっこうあります。
ちなみに、吐かせる薬がありますので、薬で吐かせるとなると、6千円〜…、
吐かせられず、内視鏡で取り出すことになれば、5、6万〜…。
内視鏡でも取り出せず、お腹を切って取り出す場合は12万〜…。
けっこう、お金がかかります。
ネット等に、濃い塩水をのませるとか、オキシドールを飲ませるなどの記述を
見かけますが絶対にしないでください。危険で、ありえません。

犬が口に何かくわえていて、口から出させたい時は、とにかく、
口の中のものから興味をそらせるといいかと思います。
おやつをみせて、おやつをあげるフリをすると、口の中のものをだして、
おやつを食べようとすることで、うまく口から出させることができるかも
しれません。あるいは、別のおもちゃをみせるなどして、とにかく、興味を
口の中のものからそらせると、うまくいくことが多いです。

犬が飲みこんではダメなものをくわえている現場をみると、だれしもが、
ほぼパニック状態になりますが、強引に取り出そうとはせず、
口の中のものからうまく興味をそらせることを検討してみてください。
(2016年10月16日)

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