最近、心臓病の勉強会や獣医師用の雑誌で、心臓病と呼吸数の関係が
ずいぶんと話題になってきております。おうちで呼吸数を数えるだけなのですが、
お金もかからないし、心臓病の発見や、進行の程度を知ることができるため、
かなりおすすめです。

おうちで犬がすごくリラックスしている時か、あるいは寝ている時の呼吸の回数を
数えてみてください。呼吸回数は、スー、ハーと息を吸ったり吐いたりしているのに
あわせて胸部が動くので、その胸部の動きを数えていただければと思います。
1分間数えてみてください。1分が大変なら30秒を数えて、2倍して1分あたりに
換算していただいても結構です。興奮している時に数えても意味がありません。

心臓や呼吸器に異常がない場合、1分間の呼吸数は10回から25回と
言われています。
もし、1分間で25回を超えていると心臓病の可能性が少しでてきます。
さらに30回を超えていると、心臓病や呼吸器疾患の可能性がさらに高くなるため、
聴診やX線検査、エコー検査等を受けたことがない犬は、一度それらの検査を
受けることを強くおすすめいたします。うっ血性左心不全の可能性があります。

さらに40回を超えているなら、すぐに来院いただければと思います。
この段階ではすでに咳がでる、元気がない、動きが悪い等の
症状が出ているはずです。
40回以上だと肺水腫になっていると考えられます。
飲み薬を何種類か飲むことで、肺水腫が改善すると呼吸回数も減少します。
肺水腫の改善の程度は胸部X線写真にて確認しますが、
呼吸回数でも肺水腫が改善しているかどうかのいい指標になります。

たまには犬の寝ている時の呼吸数を数えてみませんか?
(2014年4月1日)

第41話〜はこちら

第40話 血糖値測定が激変

第39話 輸血とSNS

第38話 おもちゃが口に‥

第37話 ダイエット不要

第36話 アロペシアX

第35話 避妊手術の傷

第34話 帝王切開は大変

第33話 動画で撮影

第32話 トキソプラズマ症

第31話 おうちで皮下注射

第30話 心臓病と呼吸数

第29話 犬ときのこ

第28話 抗生剤の連続投与

第27話 猫の歯肉口内炎2

第26話 猫の歯肉口内炎

第25話 歯石除去

第24話 犬も雪道で骨折

第23話 食欲全くなし

第22話 猫のかたタマ

第21話 コレステロール

第1話〜第20話はこちら