今回は心臓病の犬にはダイエットは不必要!という話です。

今まで心臓に雑音を認めた犬には、「ダイエットがんばってください!!」と
言っていたのですが、最近読んだ獣医師向けの本には
「心臓病の犬にダイエットは必要ない」とデータを載せて説明してあり、
衝撃を受けたので、ここに紹介させていただきます。

そもそも脂肪が多いと、その脂肪にまで血液を送る必要があるから、
心臓に負担がかかるので、体重を落とすということは理にかなっているように
思うのですが…。
でもその本によると、ダイエットをすると脂肪だけでなく、筋肉も落ちてしまうのが
よくないとのことで、当然、心臓も筋肉でできていますので
ダイエットをすると、心臓の筋肉も落ちてしまうということになります。

心臓病と診断されてから、200g以上体重が増えたグループの方が、
200g以上体重が減ったグループや、体重が200g以上の変化がなかったグループより
長生きしたとのデータが出ております。

アメリカの心臓病の専門家たちが作る学会では、
心臓病(ここでは僧帽弁閉鎖閉鎖不全)の食事について
体重の低下を防ぐ、特に筋肉の低下を防ぐために十分なカロリーを取ることを
推奨しております。体重1kgあたり60kcalです。
体重が4.5kgの犬なら 4.5kg×60= 270kcalです。
ただし、塩分の摂取量は制限してください。

なので、心臓病と診断された犬には…
その時点で太り気味、あるいは、太っているなら、それ以上体重増加をさせないように
してもらい、塩分を抑え、タンパク質(肉でも魚でもOK)を多めに取ることをすすめます。
心臓病用のフードであれば上記のことに対応していると思います。
定期的に体重を測定し、食べているカロリーやタンパク質の量が適正かどうか
判断するといいと思います。
適正体重、あるいは、やや痩せている犬にはタンパク質を少しずつ増やしてもらうことで
体重を増やしてもらい、200gから500gの増加を目指すといいかと思います。

心臓病と診断され、咳などの症状が出ている犬には、数種類の飲み薬が
処方されると思います。大変かと思いますが、きちんと服用するようにしてください。

第41話〜はこちら

第40話 血糖値測定が激変

第39話 輸血とSNS

第38話 おもちゃが口に‥

第37話 ダイエット不要

第36話 アロペシアX

第35話 避妊手術の傷

第34話 帝王切開は大変

第33話 動画で撮影

第32話 トキソプラズマ症

第31話 おうちで皮下注射

第30話 心臓病と呼吸数

第29話 犬ときのこ

第28話 抗生剤の連続投与

第27話 猫の歯肉口内炎2

第26話 猫の歯肉口内炎

第25話 歯石除去

第24話 犬も雪道で骨折

第23話 食欲全くなし

第22話 猫のかたタマ

第21話 コレステロール

第1話〜第20話はこちら