そのあと、ペンチのような道具
(抜歯鉗子)で抜歯します。

歯を抜いたあとの歯槽骨は
トゲトゲしているため、
先が丸くなったドリル
(ダイアモンドラウンドバー)で
削って、なめらかにします。

歯槽骨の両側(唇側と体の中心側)
にある歯肉を歯槽骨から
スプーンのような道具
(骨膜はく離子)にてはがします。

はがした歯肉同士を溶ける糸で
縫い合わせ、歯槽骨が露出しない
ようにします。

この操作を抜歯する歯
全てに行います。

料金は、抜歯する歯の数、麻酔時間等によりかなり前後しますが、
今回は上下左右の奥歯をあわせて、8本抜歯しましたが、
術前検査、麻酔代、注射料、術中X線撮影、薬代等すべてあわせて
10万円弱の金額になりました。口の痛みが治ってくれればいいのですが…。
(2013年7月15日)
追記 処置直後から痛みもすっかりなくなり、今では体重もだいぶ増えました。
(2015年10月18日)

処置前のX線写真
処置後のX線写真

最後に歯の根っこが残っていないかX線撮影し、確認します。
この猫さんは処置前には下顎の奥歯が左に2本、右に1本ありました。
それ以外の下顎の奥歯は既に抜けています。
見た目、歯がすでに抜けてないように見えても、
歯の根っこだけ残っている場合があるので、注意が必要です。
処置後の写真では歯槽骨に歯の根っこが収まっていたくぼみが認められ、
奥歯が歯の根っこごと、きれいに抜歯されているのが確認できました。

猫の難治性歯肉口内炎の話の続きです。

まず、歯石除去をします。
次に奥歯(臼歯)と歯を受けている骨(歯槽骨)の間にある膜(歯根膜)を
専用の道具(歯根膜はく離チップ、ゴルツチップ)ではく離します。

奥歯の見えている部分をドリルにより
切断し、2本あった歯の根っこを、
1本ずつにしました。

これだけで、抜歯できることもあります。
猫の奥歯は歯の根っこ(歯根)が、1本のもの、2本のもの、3本のものと
3種類あります。歯の根っこが2、3本の場合、歯根膜はく離チップだけでは
抜歯できないことが多く、その場合は奥歯の見えている部分を
ダイアモンドバーで分割し、歯の根っこを1本ずつにします。

第41話〜はこちら

第40話 血糖値測定が激変

第39話 輸血とSNS

第38話 おもちゃが口に‥

第37話 ダイエット不要

第36話 アロペシアX

第35話 避妊手術の傷

第34話 帝王切開は大変

第33話 動画で撮影

第32話 トキソプラズマ症

第31話 おうちで皮下注射

第30話 心臓病と呼吸数

第29話 犬ときのこ

第28話 抗生剤の連続投与

第27話 猫の歯肉口内炎2

第26話 猫の歯肉口内炎

第25話 歯石除去

第24話 犬も雪道で骨折

第23話 食欲全くなし

第22話 猫のかたタマ

第21話 コレステロール

第1話〜第20話はこちら